賃貸事務所 渋谷区のギャラリー
一度でも住んでしまうと、もう外断熱のマンション以外には「住めなくなる」という人がたくさんいます。
そうした「良さ」が日本人の共通の認識になってはじめて、外断熱マンションは在来のマンションと同じマーケットの同じ土俵に立てるのです。
いま日本でも、外断熱工法を取り入れた新築マンションや公営住宅の改修が少しずつ提供されるようになってきました。
その真の評価はまだまだこれからですが、欧米では当たり前だった新しい理想に挑戦する人々(居住者、マンション経営者、業者、地方自治体など)は着実に増えてきています。
将来の爆発的な流行にさきがけて進取の精神を取り入れる人たちを「パイオニア」と言いますが、彼らはそれだけ「住まい」に対する思い入れが強かったのです。
実際に居住者のなかにはインターネットのホームペ−ジを開き、外断熱マンションを手に入れようとした思いや実際の居住感覚を、社会に向けて発信している人たちもいます。
私はかつて一企業の社員の立場で、現在では外断熱を推進するNPO法人の事務局長として、東奔西走して外断熱普及に力を入れてきました。
苦難の道でもありましたが、その中で外断熱の素晴らしきに触れて開眼した多くの人たちと出会い、さまざまな反応を直接見聞して、良いものは必ず認められると確信するようになりました。
その爆発的な力となるのが、パイオニアに続く一般の消費者の巨大な動きです。
みなさんの皆さんの支持が得られるのであれば、それは日本人の生活をより根本的に豊かにし、日本の都市をもっと人間らしいものに変え、さらに地球環境の破壊を防ぐ最初の潮流となるでしょう。
私たちが「外断熱が土俵に上がりさえすれば」という願いのもと、皆さんに正しい情報をお伝えしたいと心から掲望しているのは、このためなのです。
なぜ日本のマンションは内断熱ばかりなのか世界的にみても「外断熱の歴史」はそれほど古いものではありません。
外断熱先進国のドイツでも、五年ほど前までは建物のほとんどは「無断熱」でした。
地震の少ないヨーロッパでは、古くから石を積み上げて都市を造る文化が発達していましたが、人々の住まいも堅牢で分厚く大きな石、あるいは断熱性の高い厚みのあるレンガの壁によって外界と仕切られていました。
北欧の冬も、室内で焚いたペチカの熱は分厚い石やレンガの壁に蓄えられる(蓄熱作用)ため、温かく過ごせました。
建物の構造材の蓄熱性を利用して室内の温かさを守る発想は、まさに現在の「外断熱マンション」の発想そのものです。
それはオイルショックが起こって住宅の断熱性能が求められるようになるずっと以前から、すでに欧米では一般的なことでした。
欧米で「コンクリートの建物に断熱材を施すなら建物の外側に」ということが自然に標準化されたのも当然だったのです。
一方、冬寒く夏は高温多湿、年間を通して雨が多く地震も多いという日本では、住まいの材料は伝統的に木を使用していました。
空気中の水分を吸収・放散する木材で建てられた風通しの良い日本家屋は、蒸し暑い日本の夏を快適に健康的に過ごすためには最適なものでした。
しかし、真冬には外部の寒さに直接おそわれます。
北海道生まれの私は断熱のない家で真冬を過ごした経験がありますが、それは生半可な寒さではありませんでした。
朝目覚めても布団から出ることができず、ようやく決心して起き上がると、掛け布団にはうっすらと白い霜が降りているのです。
快適な住まいで健康的に住もうという試みは、欧米も日本も同じです。
厚い萱葺き屋根と長く突き出た底、縁側と季節に合わせた数々の建具など、日本の四季にあわせた建物が建てられてきました。
例えば北海道でもアイヌの伝統民家である「チセ」は、低気密、高断熱の寒冷地型建築として機能しました。
しかし日本の家屋は木造が中心であったために欧米のように「住まいの構造体の蓄熱作用を利用する」という発想が乏しかったのかも知れません。
だから日本では「ただ居住空間を内側から断熱する」という、非常に単純な発想でしか住まいの断熱を考えられなかった、とも考えられます(それは現在も続いています)。
これは日本で外断熱が浸透しなかった大きな理由の一つと言えるでしょう。
日本で建物を断熱しようという試みが始まったのは、北国の北海道からでした。
戦後間もなく、住宅の壁の内部にオガクズや籾殻が混入されたのが始まりです。
一九六0年代になると、北海道では火山灰製ブロックを利用した住宅が供給され住宅難解消に役立ちましたが、その後プロック外壁の室内側にグラスウ−ルなどを施して断熱性が高められました。
コンクリートの建物でも閉じことが行われました。
内断熱の始まりです。
それまでの「寒い木造家屋」に比べ、内断熱を施したプロック住宅の居住性は快適に見えましたが、すぐに致命的な欠陥があることがわかりました。
「結露」がひどかったのです。
私が北海道で住宅業界に関わったのがその頃です。
ブロック住宅の内側にグラスウ−ルを補填しビニールフィルムを貼ったものですが、どの建物も壁の中は結露でグチャグチャの状態でした。
木造住宅でも、壁の中に断熱材が充填されると窓の結露がよりひどくなりました。
その結露を止めようとして二重サッシとなり、室内側のサッシが木から樹脂に換わりました。
しかしサッシの性能が上がると、さらに壁に大量の結露が発生しました。
北海道ばかりではありません。
エアコンの普及とエネルギー効率の点から、全国的に気密性の高い住宅が求められるようになると、まったく同じような問題が日本中どこでも起こったのです。
こうして健康的であるべき住まい環境はカビやダニだらけとなり、アレルギーや慢性的な体調不良を引き起こしたのです。
その大元の原因が結露や外気に面した室内側の壁における高湿化で、その結露や高湿化を起こす原因がコンクリート建築では内断熱にあり、木造住宅では断熱不良によることは明らかなのですが、この問題は残念ながら現在にいたっても完全には解決されていません。
1住まいの結露がなぜできるのか、2なぜ内断熱マンションでは結露ができやすいのか、ということについては後で詳しく考えますが、日本ではこの1の結露の基本的な原因すら追究されることなく、構造的にどうしても結露を引き起こす内断熱マンションへの疑問も起こりませんでした。
マンションなどのコンクリート造建築物の場合、断熱工法や設備などを正しく施すだけで「結露」の問題は解決するのです。
「外断熱マンションは北国の厳寒地だから必要なのであって、関東より西の地域ではあまり意味がない」と考えている人も多いと思いますが、これは誤りです。
結露は日本中で起きていますし、関東以西にある在来のマンションの居住性や寿命(資産性)が特に良いわけではありません。
外断熱マンションは北国や北欧・ドイツのような地域に限定されるものではなく、最近では地中海やトルコなどの南欧やアメリカ南部などでも外断熱が採用されています。
また、中国北部では義務化され、韓国でも外断熱の高層マンションが建設されています。
特に日本のような気候では、マンションや病院などのコンクリート造建築物に外断熱を施すことのメリットは高まります。
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